鍵盤
- 2023.01.23
- 近況

モーツァルトの時代のピアノは鍵盤が白と黒が逆だったのはご存じですか?
もともと14世紀頃に生まれたクラヴィコードと呼ばれる鍵盤楽器は、白く塗られた薄い板と、黒に近い色味の木材である黒檀が使われていました。白い板は弾いている間に黄ばんだりする問題があり、バッハが活躍した17世紀から18世紀のバロック時代には、白い板の代わりに象牙が使われるようになりました。しかし、象牙は貴重なものであり値段が高く、象牙を使ったピアノはとても高価なものであり、いつしかピアノはお金持ちしか手にできない楽器になってしまいました。
そんな中でモーツァルトが活躍した18世紀後半に、安い方の黒檀を多く使用するために、黒鍵と白鍵が現在とは逆のピアノが作られるのが主流となっていきました。その後、またなぜか色が反対になり現在のような白と黒のピアノになりました。それは象牙をたくさん使用した方が良いという、上流階級の裕福な人たちによる見栄という説、また白い方が手が美しく見えるという説など様々です。その後、20世紀になると貴重な象牙の代わりに、白い合成樹脂を使用した現在の鍵盤が誕生しました。
私は今のピアノの配色の方がやはり見慣れているせいか、好きです。ちなみに白い部分がピンクや水色などのピアノがあってもおかしくないですよね^^